結局カレー

凶悪の結局カレーのレビュー・感想・評価

凶悪(2013年製作の映画)
3.0
凶悪、以外に表しようのない悪。
殺人がさして悪事だとは思っていないかのようにカンタンに人を殺して遺棄するヤクザと金のために人を殺すことを覚えて虐殺を楽しむ先生。こんなにも楽しみながら人を殺せるのか、という胸糞ぶり。サイコパスとかじゃない、十分に事態を理解して心から面白がってるのがどうしようもなく恐ろしい。人間演技であんな怖い顔できるんかよー、あの目で見られたら多分チビるよー、、、笑

そして死刑囚となった須藤のさらなる罪の告白によって事件の全貌を知ることになった藤井。次々に明らかになる事件にのめり込まれて悪を断罪するため走り回る一方で家庭の問題は妻に押しつける日々。殴られる妻を庇いもせず、問題を先延ばしにして、2人の罪人の死を望み殺したいとすら思ってる。見るからに凶悪な人間を目の前に気付かされる自分の凶悪性こそがこの作品の肝なのかな。この映画を自ら選択して面白いと思って観ている観客もまた自身の凶悪性に気付かされる。
正義と悪が表裏一体であることを表現するようなラストシーンが印象的。