なんともモヤモヤが残る映画。
とある死刑囚の告発により、まだ明るみに出ていない凶悪な犯罪を暴こうとする記者が、『先生』と呼ばれる主犯格の男を追う様を描いている。
映画全体の雰囲気としては『冷たい熱帯魚』によく似ている。実話が基になっているところも。知らないだけで、この国には恐ろしい事件が沢山あるんだってことか。
とにかくピエール滝が怖い。本当に怖い。彼の言う『よし、ぶっこんじゃおう!』が言葉の軽さとは裏腹に行動が…。
そしてリリー・フランキーもある意味怖い。悪いことだとひとつも思ってないあたりが本当に怖い。
記者である山田孝之の苦悩も上手く描かれていたと思う。最終的なピエール滝への煮え切らない思い。先生を一つの事件で立件させただけでは意味がない。それ相応の罰を受けさせたいと言った彼を、妻や先生はそれだけの理由ではない事を気づいていたのだろう。