Tallow

凶悪のTallowのレビュー・感想・評価

凶悪(2013年製作の映画)
4.4
CSにて再鑑賞。(2018/5/21)
リリー・フランキーの喜ぶ顔芸ぱねえ。

鑑賞メーター(2013/11/2)より引用

「地獄でなぜ悪い」を観に劇場に行ったらネット予約が完了できておらず、翌日の上映をそのばで予約、そのまま帰るのも癪だったので隣の劇場に駆け込み鑑賞。

この作品は園子温監督の実話を元にした殺人鬼を描いた「冷たい熱帯魚」と比較しての感想がweb上で多くみられる。
園子温監督作品と比べられているとなると見ずにはいられない^^;
が、個人的には全く違う方向性の作品であると思う。
個人の怖さや異常性を描いている「冷たい熱帯魚」に対してこの作品は北野作品アウトレイジビヨンドよろしく「登場人物全員凶悪」状態。狂気や凶悪性というものは誰しもが常に隣り合わせで生活をしている…ということを上手く表現している作品だった。
「凶悪」とは他者からの印象であり、渦中にいる人間はすべてが「正義」と思って行動しているものなのだというメッセージが存分に含まれている。 前評判で一番凶悪性を持つとされていたリリー・フランキー扮する先生(木村)から感じる凶悪性よりも、「裏切りは悪」として行動する、須藤(ピエール瀧)や「真実を追求し、犠牲者の魂の浄化」を願い、家庭を顧みない藤井(山田孝之)に潜む凶悪性のほうが「自分」と「凶悪」との距離の近さを感じる分怖さを感じた。 表現手法もトラウマになるような作品ではないので、 グロ満載の「冷たい熱帯魚」は無理という人にはちょうどいいと思う。 映画を見て考えたり、思いにふけるのが好きな人にはお勧めです。 家族や友人など近しい人と見に行くと鑑賞後、酒の肴に熱っぽく深夜までトークバトル繰り広げられること必至の芯のしっかりある作品だと思う。 改めて思うのは「でんでんはスゴイ」ということ。^^;
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