アマプラで鑑賞。仕事や私生活があわただしく、なかなか映画館に足を運ぶ機会がないような時期に、長さが90分以内で、劇的な展開や重厚なテーマがあるわけではない(決してそうとも言い切れない、タチの悪さがまた良い)ホン・サンス作品は、ちょうど良かった。しかし、イザベル・ユペール主演作は初めてだったが、相当衝撃的。イザベル・ユペールが出ていることに関係なく、ホン・サンス作品はホン・サンス作品だが、ホン・サンス作品でホン・サンスならではのユーモアやエロスを演じるイザベル・ユペールは、ただでさえ凄まじい存在感が、韓国ののんびりとした田舎町の風景の中でさらに増幅されて、ぶっ飛ぶ。物語の構成は、まさかのこれでもかの4部構成(その中でさらに夢のシーンがはさまれるのはやり過ぎでは笑)。監督の得意技だが、それぞれのストーリーでのイザベル・ユペール演じるキャラクターの個性とかわいさが際立ち、サンス作品の中でも個人的には上位に入る出来だった。とりあえず、今はアマプラで見れるものは、時間を作って見ておこうと思う。
お坊さんとの問答の後に、泥酔して海と対峙したところで、おそらくアンヌの命は終わっていると思うのだけど、その後の展開は再生の物語なのか、死後の世界なのか、どちらとも取れるが、ユペール演じる女性がガニ股でどうどうと歩くラストシーンには、ほのかな希望を感じた。