3人のアンヌの作品情報・感想・評価

「3人のアンヌ」に投稿された感想・評価

りま

りまの感想・評価

3.6
謎&謎

イザベルユペールは英語を話す
ものごとには何通りもあるのだということ
99
t

tの感想・評価

4.0
いつもの緑瓶焼酎をラッパ飲みしながら浜辺を放浪し、坊さんを挑発し、ナチュラルに傘をパクる倫理観希薄な3人目のユペールがやはりしっくり来る。フランス人を口説くには、会った途端にテント内に呼び込むあのライフガードくらいの図々しさが必要ということか。
netfilms

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3.8
 ソウルから海辺の港町モハンにやって来た母娘、ペンション「ウェスト・ブルー」のベランダに佇みながら、2人は2日後の妹の旦那の出頭を待ち侘びていた。自分たちのどうにもならない人生を嘆きながら、母親はケーキを食べる。娘で映画学校の学生ウォンジュ(チョン・ユミ)は、ムシャクシャする気持ちを紛らわせようと、フランス人女性アンヌを主人公にした3つの脚本を書き始める。一つ目の成功した映画監督のアンヌ(イザベル・ユペール)は、プロデューサーのジョンス(クォン・ヘヒョ)と彼の身重の妻を引き連れて、この地にやって来ていた。ベルリンでのキスが忘れられないジョンスの求愛を交わし、ライトハウスを探しにやって来たアンヌは、海で泳ぐライフガード(ユ・ジュンサン)を発見する。灯台を探しに来た2人はやがて彼のテントに案内され、そこで求愛の歌をプレゼントされる。夜のバーベキューの席、火おこしの手伝いでやって来たライフガードはアンヌに新しい歌をプレゼントしようとするが、怒ったジョンスに拒絶される。翌日、非礼を詫びにライフガードのテントを訪れたアンヌは、彼に手紙をプレゼントするが、筆記体が読めない彼は「美しい」の綴りが理解出来ない。

 ウォンジュの書いた3人のアンヌは、成功した映画監督、浮気中の人妻、離婚したばかりの女性であり、それぞれ赤・青・緑のワンピースを着ている。ヴァカンスでこの地を訪れた3人のアンヌは、やがてこの地で運命の男ライフガードに出会う。ライトハウスとライフガード、2つの誤読を巡る2人の出会いが、ムシャクシャした女学生のレイヤーで3通りの魅力的な物語として描かれる。その生き生きとしたキャラクターを演じる3通りのアンヌが素晴らしい。ベランダでタバコを吸いながら、気怠い雰囲気を見せる一つ目のアンヌが、イザベル・ユペールのイメージまんまだとしたら、2つ目で黒い羊に「めぇっ」と泣く少女然とした彼女や、旅先で随分あっさりと男に身を委ねる彼女の姿は、イザベル・ユペールという女優の本質さえも揺るがす。浜辺に打ち捨てられた焼酎の小瓶、オーナーから借りた青い傘、オレンジ色のテント、モンブランの万年筆、民俗学の先生と僧との問答の可笑しみ。相変わらず男たちは綺麗な女のケツを追いかけ、他人に嫉妬する。そんな男たちの無様な姿を見ながら、女は精一杯の情で応える。3つのエピソードはそれぞれに様々なカラーの道具立てを媒介としながら、反復と差異を繰り返す。そこにホン・サンス映画の男と女の可笑しさがある。
sonozy

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4.0
2012年、ホン・サンス脚本/監督。
英題: In Another Country

イザベル・ユペールが、3人のフランス人女性アンヌを1人3役で演じた、海辺の街・茅項(モハン)を舞台にしたお話。
アンヌが泊まるペンションのオーナーの娘ウォンジュ(チョン・ユミ)が気晴らしに書いている脚本という設定。

同じ場所での3つのストーリーは、重なる登場人物、似たシーンの不思議なループ感が面白い。

成功した映画監督、浮気中の人妻、離婚したばかりの女性という3役を、ラフなジーンズにサンダル、赤いワンピにハイヒール、グリーンのヒョウ柄ワンピにパンプスで演じ分けるイザベル・ユペールも楽しそう。

アンヌに「I'll protect you !(あなたを守ります!)」とデカい声で伝えるオレンジTシャツのライフガード(ユ・ジュンサン)は、ホン・サンス作品の常連みたいですが、笑えます。

登場人物が中学英語的な英語で対話するのも、監督独特のズームによる不思議なリズムも、なんとも可笑しくて、好きです。
てぃだ

てぃだの感想・評価

3.5
 ライフガードのお兄ちゃんが西郷どん役のあの人にしか見えないんだな
おれ笑。今まで見たホン・サンス映画の中では一番わかりやすいと思った。飽くまで一人の女が書いた3本の脚本っていう親切設定。相変わらず映画監督が出てくるし時間軸を自由気ままに行き来する登場人物たち。フランス映画のようなオシャレなセリフもシーンも特にないけれど、なんでこんなに見せられるのかなぁ。基本的に英語で会話するシーンが多くてとても聞きやすい。英語の勉強になり?そう?ていうかイザベル・ユペールが韓国のド田舎でマッコリ飲んでる図だけで何だかおかしい
ooospem

ooospemの感想・評価

4.0
イザベル・ユペールとりわけ好きって訳でもないのに魔力に吸引されるように観てしまうのは何でだろう。ホン・サンス監督と組むっていうのもそそられたけど、何よりすごいと思ったのが『ユペールがユペールじゃなくなっていた』こと。こんだけ存在感強すぎる女優が女優名じゃなく、役の名前で空気になっていたのがすごいと思ったんだ。一人目のアンヌはユペール様らしい不機嫌・高飛車・カリスマ性の三拍子(もはや悪口)だったもんで「これただユペールを崇拝する映画じゃん」「ユペールと組める興奮が素直に溢れ出してるのかな(偏見)」っていうアンバランスさが魅力だったのが、知らないうちに空気が彼女を取り込んでいてさ…このアンヌを最初に持ってくるっていう配置にも韓国×ユペールっていう新鮮さに興奮してる観客の気持ちをそのまま違和感として提示して、こっちのテンションとリンクさせつつだんだん馴染ませていく…という駆け引きがうっすらと見え隠れ…うーん一本とられた!

それにしても彼女ってすごいの、普段ガサツめなスタイリッシュが似合うくせに、それに加えて「器用な女」感がプンプン出るから、今作みたいな繊細な妙でクスッとさせてくる作風にもすんなり合うの。それに馬鹿正直なライフガードボーイの掛け合わせがミスマッチかと思いきや、不思議と良い。三作とも決定打はなくてビミョーに良いってのが良い。
初夏の潮風、潮の満ち干き。食卓に並んだ料理は同じでも梅干しだけが違うような、サンダル、ハイヒール、パンプスと歩みの違う3人のアンヌ。茅項の海水浴場に佇む彼女たちの前を、クロールで横切るライフガードのぶれない純朴さと、微妙に交差する3つの物語。この不可思議が言葉に出来たら、もう映画はいらない。
Matsuzoh

Matsuzohの感想・評価

3.6
フランスの名女優イザベル・ユペール主演という物珍しさからチョイス

タイトル通り3人のアンヌを演じてる
3人?どういうこと?というのは見てれば分かる
・・・んだけど、それぞれ設定は違うアンヌ、ものすごく演じ分けられてるかっていうとそうでもなく、3人とも同じ人物と出逢って、同じようなやり取りを繰り返したりするんで、何とも不思議な味わい

母語が英語でない者同士の英語のやり取りや、韓国語が分からないアンヌの前での韓国語のやり取りに、「何話してたの?」と聞かれて適当な嘘で返したり、そういう異文化コミュニケーションのおかしみはいろいろありました

監督インタビューを読んだら
http://www.outsideintokyo.jp/j/interview/hongsangsoo/

事前に作り込むよりは、現場で起こったことを大事にするタイプの監督さんのようで、そういう良さは感じました

けどグッとくるところまでは来なかった
冒頭のところとか、どうなるのか楽しみだったのに

同じホンサンス監督×イザベルユペールの新作も来月以降公開だそうで、チェックしてみたいところ
添島

添島の感想・評価

3.6
変な映画だなーと思いながらたらたら見てた。昔のとくに当たらなかったフランス映画みたい。変な映画だなー。監督の、「ぼくとあのときの彼女たち」みたいな不思議な主観。変な映画だなー。
とくに面白いともめっちゃすき!ともならなかったけどまぁ心地悪くはない感じだったのです。
変な映画だなー。
ホン・サンス作品の中でも特に変わった映画の一つ。

イザベル・ユペールが一人三役を演じる劇中劇がメインというだけでも変なのに、人面雀蜂に刺されそうな顔に見えるライフガードらが同じイザベル・ユペールでもちゃんと別人として扱っているのが奇妙さを助長させ、それでいて最後には世界が繋がっているような描写で締められるから狐につままれたような気分にさせられた。

しかし不思議とはいえ興味深いシーンも多数あり、別人を演じているイザベル・ユペールが別人感を歩き方等細かい部分で出している点には名女優の力量というものが感じられた。

そして独特なカメラワークに対しても、一見雑なように見えるズームでもロングショットからミドルショットへといった切り替えが絶妙で、大雑把な印象を受けるだけで実は精密な技巧だったのだなとようやく気付くことができて感嘆した。

内容的には呆気に取られるものだったけれど、映像面で面白味がある作りとなっていたのは流石ホン・サンスと言うべきところで、イザベル・ユペールが再び組みたくなる気持ちもよくわかる。
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