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桃太郎 海の神兵のnori007のレビュー・感想・評価

桃太郎 海の神兵(1945年製作の映画)
5.0
終戦間際の焼け野原に残った映画館で公開された日本初の長編アニメ映画。当時の制作環境は人員も徴兵され、フィルムも無く、絵を描く紙すら困窮し、度々空襲にもあいながら作られた魂の映画。これは瀬尾光世氏、政岡憲三氏の持てる技術を総動員して作られた作品である。そこに描かれるのは動物たちのミュージカル。そこに桃太郎が登場し、白人に侵略された島を開放しに向かう。そこにはかわいい動物たちや精巧な航空機。今につながる日本アニメらしさがすでに確立されている。

本来であるなら敗戦後のGHQの命令により、焼却処分されてしまっていた作品であるはずなのだが奇跡的に倉庫から見つかった、まさに幻の作品なのだ。現在こうして見られることに感謝。
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