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嘆きのピエタのclydebarrowのレビュー・感想・評価

嘆きのピエタ(2012年製作の映画)
3.4
“crime” と” sin” の物語だった。
残忍で非常な犯罪の場面がたっぷりあってそちらに囚われて見逃しがちだけれど、近親相姦に近いシチュエーションが何度か出てくる。男と母親を試すような局面。
その時の、母親(と名乗る女)の表情が素晴らしかった。いい女優さんだと思う。(もちろんイ・ジョンジンも。)

母の出現でどんどんイノセントになっていく男と、揺れ動く母親(と名乗る女)の心理。
復讐と怨念、サクリファイスと贖罪。キリスト教がバックボーンにある欧米人の方が、きっと日本人よりも共感できる部分が多いと思う。
キム・ギドクと言う人は、業の深い人だ。こういうちょっとイヤな感じ、ひっかる何かがあるのが、きっと本当の「才能」であり「芸術」なのだと思う。でも、それだけじゃ疲れちゃうね :-)
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