韓国映画鑑賞ウイークなので、ようやくキム・ギドク監督の代表作にたどり着いた。
韓国ノワール、重い韓国映画ジャンル。
やはり個人的に好きな部類だ。
日本のインディーズ映画っぽい画質はお金かかってなさそうだな、と思ったけど、まさにキム監督が自腹を切って製作した映画だとか。
これまで「悪い男」「ソマリア」「弓」「絶対の愛」と見てきて、中盤や終盤からの展開が入り込めない感があったりしたけど、この映画はそうでもなかった。
さびれた町の光景、借金に苦悩する人々、救いのない貧困の描写。
エグさと悲惨が冒頭から畳めかけるように表出される展開だけでもう引き込まれた。
主人公の表情が冷たい感情のない顔から徐々に暖かみのある顔に変化していくあたりも刺さった。
母を名乗る女性に心を許す過程については賛否があるみたいだけど、私はありかなと解釈。
ラストに至っていく展開はもう心が震えるしかなく、緊張感とこうなって欲しいけどこうなって欲しくない、どんな終わり方するの?という複雑な感情に覆われた。
見る側を不穏な気持ちにさせるトップクラスの映画だと思うが、どこか静謐がありキム監督独特の神秘性がこの作品においてはがっつりハマってしまった。
鉄パイプか並ぶ町工場シーンや臓物カットなど、様々な場面が鑑賞後も頭に浮かんでくる。
あぁ、韓国映画すげえや…
<韓国映画ウイーク2日目終了>