ビフォア3作品の3作目。
主人公二人がウィーンでの出会いから18年、パリでの再会から9年という時間が過ぎているこの作品。
この作品、また偶然の出会いから始まるのかと思っていたら、このような展開になっていたんですね。この展開になる過程が観たかった。
この作品はとにかくセリフしかない。ジェシー(イーサン・ホーク)は作家だし、セリーヌ(ジュリー・デルピー)は博識でとても知的。様々な事を知っていて、それを会話にでき、会話できちんとコミュニケーションができるところは相変わらず素晴らしい。私もセリーヌのように歳を重ねたい。
素敵な景色を背景に、より素敵な作品に仕上がっていると感じます。
食事の席での皆との会話ですが、年代の違う一人一人が自分の考えを持ち、その考えを披露し、議論をしていく。それだけの事ですが、素晴らしい事だなと思います。今ある幸せ、過ぎ去りし幸せを思う時、そしてこれからの幸せを考える、それが歳を重ねるという事なのかなと感じました。
長い年月、時間をお互いに共有してきた二人。もうこれ以上話さなくても気持ちや考えはわかってるだろうと思うけど、やっぱり二人が共にこれからも歩んでいってほしいと願うし、過去の出来事を思い返した時に、こういう関係になっていたことを嬉しく感じます。とりまく環境は変化しても、この二人は変わらず、寄り添っていってほしいと願います。
1作目から鑑賞してきて、見た目的にも時間の経過を感じた作品ではありますが、この作品のタイトルの通り、もう夜明け前を恐れることなく、また朝が来ても、ともに時間を共有できる喜びを感じ、出会った時と同じ気持ちには戻れなくても更に愛を深めていく。そんな素敵な二人を鑑賞できたことを嬉しく感じました。3作品あってこその作品なんだなと強く感じた素敵な作品でした。
