チーズマン

ビフォア・ミッドナイトのチーズマンのレビュー・感想・評価

ビフォア・ミッドナイト(2013年製作の映画)
4.1
ビフォア・サンセットでパリで再会した2人の9年後を描いた今作、
18年前のロマンチックな出会いから3作かけてよくぞここまできっちり描いてくれた。
前作が観たかったものなら今作は出来れば観たくはなかったものだと思う、でもサンセットで2人の再会を描いてしまったのならこの作品も必然だと思う。

だからおおよそ方向性が分かるからこちらも最初は探りながら2人を見るというか、相変わらず会話も楽しいし上手くいってるのかもと一瞬思うけど言葉の端々になにか感じる違和感。
その後、対比となるようなカップルや夫婦が登場し始めるとますます浮かんでくる、他のカップルのノロケ話を聞いてる時時折見せるセリーヌの顔がね…。
そして、それが些細な事でついに爆発する終盤のケンカシーン、けして楽しいものじゃないけどやっぱこの映画のハイライトでもある、なにせ長いから。
ケンカシーンもリアルで色々と言い争ってるんだけど、なぜか趣味に合わないということで知り合いからのプレゼントに後で怒りが向いてしまうところは中々キツイものがあった、それは言ってくれるなよ、と。
そういう他の人からの何かで言えばビフォア・サンライズではそれを言わないことで良い雰囲気を作ってただけにその変化がまたつらい。

最後は感動した、劇中でもいまだに2人の会話に出てくる出会った日のこと、結局はその出会った日のせいでこうなるわけだけど、ならばそれを救うのも…というところまで描いて始めてやっぱ運命の2人なのかもと言える気がした。

そして2人をフェードアウトしていくラスト、食事している他の客と混ざって景色の一つになっていく様子にもう大丈夫という安心感と、もうこの2人に会うことはないんだろうなという寂しさを覚えた。

ビフォア3部作、それぞれ単体でもすごく良い作品どけどやっぱ3部作まとめて一つの作品で、手元に置いておきたい素晴らしいシリーズだった。
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