MURANO

ビフォア・ミッドナイトのMURANOのレビュー・感想・評価

ビフォア・ミッドナイト(2013年製作の映画)
4.1
「あ、そういえば観忘れてたわ…」というノリで観たけど、過去作を予習せずにあえて時間を空けて観るのが、この映画にはやっぱり合ってる気がした。

もちろん、いろいろ忘れてるんだけど、観ながら感覚的に思い出して来たりして、その方が「人生」を見てるなと錯覚できるので。

“運命的な出会い”の『サンライズ』、”劇的な再会”の『サンセット』、そして『ミッドナイト』は何を描くかと思ったら、”倦怠期”。

あれだけ素敵な夜に恋に落ち、9年後に偶然の再会をしたふたりでも、夫婦になることで生まれる諍いがやっぱりあるだな(笑)

イイ感じで笑って話してたのが、ちょっとした掛け違えで蒸し返しての大喧嘩に発展とか、リアル感が満載すぎる…。

今作では、3作の中で一番歴史を感じさせる街並みのギリシャを歩くことで、ふたりの時間の経過を感じるし、過去2作よりも意識的に「過ぎ行く時」を語っていたのが興味深かった。

ラストシーンの会話が秀逸で、ふたりの年輪あってこそのユーモアに思わずクスっとさせられ、シリーズ全体としての満足感がまた高まりました。
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