あつお

真夏の方程式のあつおのネタバレレビュー・内容・結末

真夏の方程式(2013年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

「愛と憎しみは表裏一体」を実感する物語。
舞台は海の美しい玻璃ヶ浦。ガリレオこと湯川学は、資源開発計画の有識者として、この地を訪れる。開発推進派と開発反対派が激しく対立する中、天才ガリレオは一切資源開発に興味を持たない。そんな状況の中、ガリレオはある少年と出会うのだ。その少年の名前は恭平。理科嫌い、かつ非論理的な、湯川学とは正反対の人物像。そんな恭平のために、湯川学はペットボトルロケットを用いて科学の楽しさを教える。子供嫌いのガリレオが人間味を見せる、心温まるシーンだ。
その一方で、湯川学の泊まる緑岩荘では不穏な死亡事件が発生。死亡者は緑岩荘のもう一人の客、塚原正治。彼は15年前の三宅伸子殺人事件に関して、ある疑いを持ってこの緑岩荘を訪れていた。
物語が進むにつれて、緑岩荘の一家が抱える秘密、そして恭平にまつわる悲しい真実が明らかになる…
「大切な人の為なら死ねる」とは度々言われるセリフだろうか。この物語でも、同様の悲しくも暖かい人間愛が感じられる。愛の連鎖が悲劇を生む。そして、その歪みは純粋無垢な少年の心をどう動かすのだろうか。15年の時を経ても消えない誤ち。心に深く突き刺さる作品でした。
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