oden8

俺はまだ本気出してないだけのoden8のレビュー・感想・評価

3.6
本気を出せない人の言い訳や〜んっ!!
って思いながらも、僕は凄く共感もしてまうよねぇ。シズオの夢見がちな感じと何にも縛られたくない感じ。嫌いじゃないわぁ〜。言い訳上等っ!!

物語として、めちゃくそ面白い訳ではないけど。好きな堤様と生瀬さんと山田くん(声量どないしたんや??)がヌル〜っとしていながらも絶妙なキャラを巧みに演じてはるのが好きなのだぁ〜。僕的には激アツ作品。

中年世代の全くキラキラしていない青春作品。そこにあるのは、社会で生きていく苦労。それとまとわりつく様な倦怠感。生きたい様に生きれている人なんて限られているのでは?
それでも、みんな自分を誤魔化しながら頑張って生きている。自分と折り合いをつけながら生きている。見方を変えたら日々が素敵なものに変わると強がって生きている。いっぱいいっぱい生きている。

誰もがシズオの様に呆気らかんと生きているわけじゃない。でも、そんなシズオもシズオなりに何かを探しているのだよねん。自分の頑張れる本気スイッチを探しているんですよねぇ。
それを、周りかの評価に委ねてしまうとしんどいし…スイッチが入り辛いのかも。
シズオが、自由そうに見えるのは…自分の本気スイッチを自分のペースで探していたからなのかも。結局の所、自分の周りの環境なんか言い訳でけしかなく。自分で自分の本気スイッチを入れなければならないのだよね。

物語の抑揚が弱い気はするけど、そのユルさと気怠い感じが妙に心地よくなってくる。

人生の折り返し地点の40代だからこその焦りや迷いを、ふんわりタッチで描かれている。
若い頃と違って、ある程度自分という人間を理解してしまっているからこその諦め。だけど、残りの人生を考えた時に…あれっ?このままで生きてるって言えるんかなぁ??みたいな焦燥感。おれって本気出してへんかっただけじゃね?という淡い期待。
それらが、38歳の僕の疲れた心に染み渡る。

蛭子能収氏が店主を演じる、居酒屋の料理の様に…不味そうなんやけど、この場所で気の許し合える三人で呑むのが乙でその場の空気が美味しいんだよね。の感覚を楽しめる作品。

Cast(役者·キャラ) 4.5
Story(物語) 3.5
Architecture(構成) 3.5
Picture(画) 3
Acoustic (音) 3.5
22-428
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