千年女優

オブリビオンの千年女優のレビュー・感想・評価

オブリビオン(2013年製作の映画)
4.0
西暦2077年、異星人スカヴの侵略阻止のための核兵器使用で荒廃した地球。人類が土星の衛星タイタンへと移住し、ただ二人残って地上1000mの上空からスカヴ残党の監視業務を行うジャックとヴィクトリア。墜落した宇宙船から現れた二人を知る謎の女性ジュリアの登場により次々に二人に生じる謎と驚きの真相を描いたSFサスペンスです。

ディズニーのSFアクション映画『トロン:レガシー』で監督デビューを果たしたジョセフ・コシンスキーが自身がアルフィド・ネルソンと共同で執筆して未発表だった物語を原作にトム・クルーズの主演で描いた作品で、翌年のトム主演のヒット作『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の影に隠れがちですがSFとして練りこみを感じさせます。

兎にも角にも観客の多くの心を奪う近未来SFガジェット描写が圧巻の出来で、その目を奪われる映像に虜にさせられます。物語は複雑と言われることもありますが限定された登場人物と丁寧な伏線回収が理解を助けます。一方で「我思う故に我あり」という哲学的な命題へ挑戦するラストに賛否両論はありますが、総じて機知に富んだ一作です。
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