菅田将暉が最近気になるので観てみた。
胸糞映画が個人的に好きだしね。
原作は芥川賞取ったらしいけど、未読。
菅田将暉目的で観たのに、鑑賞後は田中裕子に圧倒された。
昔から凄い女優さんだと思ってたけど、改めて凄い!
田中裕子が居なかったら締まる所も締まらない作品になっていただろうと思わされるくらい圧巻の演技力だった。
覚悟を決めたシーンは鬼気迫る物があった。ゾクリと来た。
菅田将暉も目が印象的だった。
身体に纏わり付く様な生ぬるい湿度の中に、ギラギラと光る目がある。
少年の眼差しと言うよりかは、男のそれだった。
汚れた川が、掃き溜めの様な町が、ヘドロの中で育った生臭い魚と行き場が無くただ垂れ流すだけの精子が、全て匂いたつ様に足下に絡みついて身体を重くして行く様な作品だった。
神社がキーパーソンになっていて、あんなドヤ街みたいな所でも、神聖な物として捉えられていた気がした。
やっぱり信仰とか関係無くなく、バチが当たりそうで何か嫌って、気持ちは誰にでもあるよねーって思った。
親父が汚い川で捕れたウナギを美味しそうに食べるシーンが何故か凄く印象に残った。
鑑賞後は女性は強いな。と感じた。
使い古された言葉だけど、『 母は強し』だった。
母が子供を自分の子にする為に選択した答えに。
あの男との繋がりを持ってしまった決断に。
女は自分の身を守る為に選んだ手段に。
少女が女として目覚める内に秘めた逞しさに。
同じ女なのに、女って怖ーなぁと心底思ってしまった。
親父が何言ってるか全然聞き取れなかったのが残念でした。
菅田将暉、恋愛シュミレーションゲームの主人公バリに色んな女相手にしますね。と頭に過ぎった。
湿度の高い作品が好きなので、好きな部類だったが、もう一度観たいかと言われると、何年後かに思い立った時で良いかな。と言う感じです。
ちなみに、人にも特におすすめはしないかな。
纏わり付く温度感はしっかり表現されていたので、宮本輝の『泥の河 』を彷彿とさせる作品でした。