ジャケ写から想像してしまいそうなユペールの同性愛ものでも殺人ものでもありません。
17年間昏睡状態が続く女性の尊厳死をめぐり、イタリアで実際に大論争となった問題を背景に、3つのフィクションが展開される。
①延命措置続行法案に賛成票を投ずるか迷う政治家、彼には妻の延命措置を停止させた過去があり、そのことで娘に不信感を抱かれている。
②娘が植物状態になり女優のキャリアを捨てて娘に付き添い、祈りを捧げる母。ユペールが演じます。
③自殺したい女性の自殺を止め、彼女に寄り添う医師。医師役は監督の息子。
多角的に描かれた3つのエピソードなので、観る側にいろいろな立場から尊厳死について考えるきっかけを与えてくれます。死というより、描いているのは愛と生。
カトリックの国イタリアでは大論争となった尊厳死問題、日本ではタブー視されているのが悲しいです。何が正しいかはそれぞれで違うからこそ、選択できる権利は与えられた方がいいと思う。
重いテーマの3エピソードなのでこの尺では物足りない感じだけど、いつもながら監督の性格が表れている硬質な映像が好み♡