parsifal3745

インポッシブルのparsifal3745のネタバレレビュー・内容・結末

インポッシブル(2012年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

東日本大震災にみまわれた東北人として、見てよかったと思えた。(ちなみに自分は内陸なので直接的な被害を受けていない)2004年のスマトラ島沖地震による津波。確か津波が押し寄せるニュースが流れた記憶がある。
 実際の津波に遭遇したかの映像が真に迫っていて凄い。人が流される時に様々な漂流物等に衝突して、打撲やら切り傷が生じる、津波に飲み込まれて息継ぎができない、何度も流されてしまう様子はリアルで本当に怖かった。津波に襲われて生き残るには、あれを乗り越えなければならないのかと恐怖。運も大きく左右する。子どもたちを守り探すために、自分も流されたり、暗い中一人で探し歩くのは危険だが、親なら仕方ないとも思う。考えてみればだが、ハダシで歩くことは、建築物の釘などを踏む恐れが多く危険だ。釘のない地方ならいいが、日本ではアウトだろう。
 前半は、マリアとルーカス中心だが、小さな男の子を助けたり、病院で他人の探し人を探してあげたり、さすが医師だけあって素晴らしい人たちだなと感動した。後半、子どもたち二人と離れて、ヘンリーが捜し歩くのはどうかと思ったが、息子たちが名前を呼び合って再会するシーン、父に抱き着くシーンは力強い感動を覚えた。自分は死ぬかもと不吉なことを言ったマリアも助かってよかった。東北には「津波てんでんこ」が浸透しているのだが、なかなか実践するのは難しいかもしれない。
 残念ながら亡くなった人は、死者と行方不明者を合わせて約30万人らしい。この親子は運が良かったのだ。
 ストーリーは単純であったが、希望をもって、生きようとする意志と行動が素晴らしく、父母と3人の息子の演技がとても素晴らしかった。
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