parsifal3745さんの映画レビュー・感想・評価

parsifal3745

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ブリキの太鼓(1979年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

この物語が描かれるダンチッヒは、現在ポーランド領であるが、ハンザ同盟の都市であり、プロイセンの貿易港として発展した都市。ポーランドとドイツの力関係で、領有が行ったり来たりした都市で、複雑な事情を抱える>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.7

まずは、マーラーの交響曲第5番の演奏風景が扱われているので、ビスコンティの「ベニスに死す」を嫌でも思い浮かばされた。あちらは、美に魅入られた男性作曲家の苦悩だったけれど、こちらも美に魅入られた女性指揮>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

一度、大きな間違いを犯してしまうと、立て直しが利かない社会。そんな息苦しさを感じながらも、自己責任的に自分を守ることに汲々とする小市民。そんな一方で、世の中の流れについていけずに、置いてけぼりを食って>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ジョニ・ミッチェルの名曲『青春の光と影』を家族が2階席で見守る中、手話を交えて歌うシーンが、とても良かった。歌は、思いを伝えたい人のために歌うのが一番。試験とかコンテストを超えた一回きりのすばらしさが>>続きを読む

僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

あんまり動物物の映画は見る方ではない。家で、犬も猫も飼ったことがないけれど、こんな犬がいたらと思った。本当に犬好きだったら、けっこう犬中心で回るんだろう。転生することを通して、犬目線から、犬がどんな風>>続きを読む

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 恩田陸の「蜜蜂と遠雷」の映画化版。小説を読んでからの視聴だったけれど、やっぱり小説の方が心理描写、音楽の修辞とかが優れていたという記憶がある。しかし、それぞれの審査における演奏を通して、キャラクター>>続きを読む

ジュピター(2014年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

 マトリックスやクラウド・アトラスは、かなり入れ込んだ作品だったが、これは一般大衆向けに分かり易く、単純なストーリーで作られていた。地球の人間は、他の星からやってきた種族とのハイブリッド種族。地球は、>>続きを読む

Vフォー・ヴェンデッタ(2005年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

マトリックス」シリーズのウォシャウスキー兄弟が製作・脚本を手がけただけあっての作品。陰謀論に明るく、ニューワールド・オーダーのグレート・リセットを意識したかの作品。国家を思うが儘にするためには、国民を>>続きを読む

クラウド アトラス(2012年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

 視聴は2度目。「マトリックス」を監督したラナ&アンディ・ウォシャウスキーだけあると思った。東洋哲学にも造詣が深い彼らだけあって、「輪廻転生」しながら魂が成長していくというテーマと、そういった価値観で>>続きを読む

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

 自分が生まれてから番組の見世物になっていたという設定で、ジム・キャリー主演ということで、喜劇と思って見ていたけれど、よくよく考えればシリアスなドラマと感じた。
 現在の社会自体が、政府や金持ち連中に
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イエスマン “YES”は人生のパスワード(2008年製作の映画)

3.9

2度目の視聴。ジム・キャリーは、コメディアンが持つ独特の表情と動きを持っていて、わかっていても笑ってしまう。彼だから、この映画も成功したんだと思う。
 YESと言い続けただけで、あんな風に物事が上手く
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

 自分も60歳の齢を越えたので、自分だったらって想像してみたが、なかなかやろうとは思えない。もちろん、ファーンの場合には、住んでいた町が町ごと無くなったためという理由があるが。日本には、人が住んでいな>>続きを読む

許されざる者(1992年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

「許されざる者」を理解するためには、イーストウッド出演・監督の映画の系譜、彼の人間性を知る必要があると思う。彼は、朝鮮戦争に従軍し、アメリカ独特の男性像、強い男マッチョを表の姿として生きてきた。それは>>続きを読む

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.2

ホテル・ムンバイの事件は、覚えていなかった。正式には、ムンバイ同時多発テロと言うらしいが、172~174名の命が奪われたとWikiにあった。自動小銃の犯人グループに、何も持たずに抗う、もしくは逃げるの>>続きを読む

裏窓(1954年製作の映画)

3.9

 ヒッチコックの裏窓を久々に視聴。相変わらず、ヒッチコック映画に出演するのは美男美女。ジェームズ・スチュアートとグレイス・ケリーの二人を見ているだけで、ゴージャスな気持ちになる。ジェフがツンデレで、リ>>続きを読む

若草物語(1994年製作の映画)

3.6

2019年の「ストーリー・オブ・マイライフ」に続いての視聴。こちらの方が時系列になっていて、未読の人には筋がわかりやすい。2時間で、小説みたいに心理の綾まで描くのは、難しいのだろう。2019年版の方が>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.3

 恥ずかしながら「若草物語」は初見。小説でもアニメでも見たことがなかった。この映画は、第二部を映画化したものらしいけれど、四姉妹ならではのかしましさ、喧嘩や対立、優越や嫉妬、愛情表現が豊かに盛り込まれ>>続きを読む

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 自分は、この「わたしは、ダニエル・ブレイク」のような役所のシステム、弱者切り捨ての政策、貧富の差は、グローバリズムがもたらす物と思っている。国や地方自治体が、国民の生活を守るために行っていた国営事業>>続きを読む

ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

 スウェーデン映画って、珍しいと思いながら鑑賞。冒頭、現代美術が、ある意味高尚すぎて、大衆受けしないからどうやって注目を集めるかをチームで協議。小難しい抽象的な専門用語ではね。そのために動画を撮影とい>>続きを読む

クラッシュ(1996年製作の映画)

2.1

このレビューはネタバレを含みます

 別に有名な「クラッシュ」を見たことはあったが、こちらは初見。のっけから刺激的な夫婦共に不倫映像。一気に視聴者を性的モードに突入させる勢い。BGMやカメラアングルも、常に性的な刺激を強調するかのよう。>>続きを読む

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

2.1

このレビューはネタバレを含みます

 「ダークナイト」を視聴してからこちらに。バットマンがどうやって誕生したかを時間をかけて描いてたが・・・。父母が不運にも殺されて、犯罪を憎むようになりって辺りはいいが、チベットの高地で特訓受けて、戦う>>続きを読む

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 6歳の時に、自分でも説明できないが、声を出して話をしなくなったエイダ。前の夫は無くなり一人娘のフローラと一緒に、未開の地ニュージーランドへ嫁ぐ。荒れる海、ぬかるみの密林に「チャタレイ夫人の恋人」に似>>続きを読む

ラブ・アゲイン(2011年製作の映画)

2.3

このレビューはネタバレを含みます

 夫婦は25年目の危機。妻は浮気し、夫は意気消沈。見返すために、ナンパ師にご教授願って、見返せるような男へ変身を目指す。息子は3つ上のシッターに恋をし、シッターは父親に恋を。ナンパ師は、夫妻の長女に恋>>続きを読む

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

 途中で桐島が最後まで出演しないのは意図的なのだろうと。桐島がいないだけで、関係者は大騒ぎ。リアルに考えれば、直接、家に会いに行けばいいだけなので、これは作者が意図的に仕組んだものだろうと。オールマイ>>続きを読む

マンハッタン(1979年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

 ウッディ・アレンの映画を久々に見た。ニューヨークのマンハッタンに住む、男女5人の物語。アイザック(アレン)とメリー(キートン)は、哲学、心理学、演劇、美術など、ニューヨークに集まる先端の考え方に通じ>>続きを読む

ゾンビランド(2009年製作の映画)

1.2

このレビューはネタバレを含みます

 ゾンビ映画だけれど、ロードムービー。つまらなくなって、途中から2倍速でラッシュで流した。結局は、何とでも設定できるからね、この類いの映画は。コメディっぽいんだけれど、なり切れず。軽い気持ちで考えずに>>続きを読む

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

「勝手にしやがれ」は、随分と前に観たっきりだけど、似ているって感じた。既成的な価値観を否定、論理的な会話は成立せず、いまある状況が酷くても、短い反意的、詩的な言葉で修辞してみせ煙に巻く。
 ナナは、女
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CURE キュア(1997年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

 犯人の催眠殺人が、次から次へと伝播していくので、見ていて気持ちが悪い。最初の方、千葉の白里海岸で記憶喪失を語る若い男性を自分の家に入れるかなって思ったが、映画の話なので。警察官やら精神科など専門家が>>続きを読む

ファーゴ(1996年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

 実話に基づいた話と冒頭テロップされて、見始めてすぐに、随分とコメディタッチだなって思った。吹替え版で見たせいか、誘拐役の2人、ジュリーもコメディっぽい会話と声で、違和感。案の定、計画はズサンで、打ち>>続きを読む

未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

 表題のブラジルは、この映画で流れる「ブラジル」という桃源郷のような世界を歌った曲と歌詞から来ているのだろう。皆、理想を求めて生きている未来が、果たしてどうなるかって問いの映画のようだ。
 1986年
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ゼロの未来(2013年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

かなり刺激的な作品。現代社会を基に、未来社会を予見したかのような作品。巨大なAIが人間の社会の隅々にまで浸透し、個々人を適切に管理しようとしている。より多くの利益を生み出すために、AIによって様々な職>>続きを読む

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

1.5

 東日本大震災の被災者でバラバラになった被災者が肩寄せ合って生活していたのに、生活保護が受けられずに、恩人が亡くなったのを端緒に生じた殺人事件。初視聴だが何故か感動も、共感もできなかった。自分は岩手の>>続きを読む

コーヒーが冷めないうちに(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

「コーヒーが冷めないうちに」の表題に誘われて視聴。悪くなかったです。2時間物のTVドラマのように忙しい感じはしたけれど、役者陣の演技が良かったです。波留と林のドタバタ演技、松重さんが大丈夫だよって言い>>続きを読む

七つの会議(2018年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

 日曜劇場の池井戸潤作品に出演していた俳優を豪華に取り揃え、思わずニヤリとする映画。野村萬斎、香川照之、片岡愛之助、及川光博、春風亭翔太、世良公則、小泉孝太郎、北大路欣也と聞けば見たくなるでしょう。そ>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

2.1

このレビューはネタバレを含みます

馴染みの親友カートが街に戻ってきて、マークはキャンプに行かないかって誘われる。妻に打診するけれど、「どうせ行くんでしょ」って辺り、身につまされた。流れゆく風景、空、山、川をじっくり映し出す。ラジオは、>>続きを読む

インポッシブル(2012年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

東日本大震災にみまわれた東北人として、見てよかったと思えた。(ちなみに自分は内陸なので直接的な被害を受けていない)2004年のスマトラ島沖地震による津波。確か津波が押し寄せるニュースが流れた記憶がある>>続きを読む

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