ゆめのかよいじ
とは夢路の事なのですね。
題名でこの映画への想いが募りました。
主人公が引越して来た理由。
その経緯そのものがまるでゆめのかよいじのように、主人公にも現実感がないのかも知れません。
大切な家族を突然失うと、しかも自死と思わせる流れを感じて言葉を失います。
ここまで汲み取る必要は無いのだと思います。
でも、届く人には届いてしまう。
少しづつ失われる気力。
新潟の親戚に預けられた理由。
二人が出会った意味。
たとえ追いかけても出会えるかは分からない。
ゆめのかよいじを彷徨うだけなのかもしれない。
人の姿を見て気付くことは多くて。
自分では分からないことも。
分かり掛けて来た時に震災が。
愛しいもの。美しいものを一瞬にして奪ってしまう。
物語が織りなしていく風景が美しくて。
校舎の手沢の光が暖かくて。
失われても心の中の想いを奪う事は誰にも震災にだって出来ない。
人は弱くて強い。
美しい風景のこの映画は決して想いを押し付けたりはしない。
優しく見守ってくれている。
受け取れる人の悲しみに寄り添ってくれる。
そんな気がしました。