じゅん16g

さよなら渓谷のじゅん16gのレビュー・感想・評価

さよなら渓谷(2013年製作の映画)
3.0
久しぶりに邦画らしい邦画を観た気がした。作品全体に漂うジメッとした重苦しい雰囲気、気楽に観れる映画ではない。

田舎町で起きた幼児殺害事件、実の母が犯人で自宅周辺はマスコミが押し寄せる。隣人である主人公夫婦は一見普通の夫婦に見えるが、実は…ってな話。

観ていて凄く辛い部分も多かった。特に主人公の過去などは久々に胸糞悪いやつか?なんて思わされた。
主人公夫婦を探る雑誌記者、彼はスポーツ選手だったが挫折し、仕事も上手くいかず妻との関係もあまり良くないと言った感じで、三人目の主人公とも言えるくらい重要な役どころだと感じた。
特に鏡の前で裸を見つめる姿には悲壮感が漂い、彼という人間を全て表しているような気がした。

ラストに関しては意外な結末。妻の決断を理解はして解放されたはずなのに、最後の彼の表情にはしっかりとした決意が感じられた。