ヤマニシ

まぼろしの市街戦のヤマニシのネタバレレビュー・内容・結末

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

 この映画そのものが夢遊病のような映画だった。病院の患者たちも現実を理解しないままに享楽にふけっていたわけではなく、戦時下にあることもわかっていたし自分たちが芝居をしているだけであり、すべて虚構であることを前提としていた。むしろ主人公はその芝居のなかでの恋に本気になったり、敵味方問わず軍隊の人間は皆、彼らの芝居を本物と錯覚していた。その対比は実にアイロニックだと思う。
 ラスト付近の余韻はそんな感じだったが、全体的にコメディチックで深く考えず楽しめるし、爆発シーンとか派手なアクションもあったので絵面のインパクトも十分でいい映画だった。(一点気になったのは吹き替えで一部音声が削除されていたところ。文脈的に差別用語だったから削除されたのだと思うが、そういうのは製作された時代とか考慮してそのままにしておいてほしかった。)
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