ダラヲ

まぼろしの市街戦のダラヲのレビュー・感想・評価

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)
3.5
ピクニックだったりプランピックだったりする通信兵がたまたまフランス語が喋れるというだけでひとり危険な任務へ身を投げるコメディの皮を被ったシニカルな反戦映画。


基本的に物語は淡々と進みこれといった見せ場は無いのだが裏を返せばこの映画はほぼ見せ場しかない。
ある事からハートのキングを名乗る羽目になった二等兵のプランピックが、大勢の精神病患者達に翻弄されながらドイツ兵の残した爆弾を解体すべく奔走するのだが、街へと解放された患者達のその生き生きとした表情はどこか名状しがたい狂気を孕んでいる。そこである者は理容師に、ある者は娼館で娼婦にと忠実に彼らの理想を演じ切っていた。

ラストのプランピック二等兵がどう行動するかがこの映画の主題であり監督のメッセージだと思う。
なにぶん古い映画なので中弛み感は否めないが全編コメディタッチで滑稽な仕草が多く、雰囲気を楽しめれば良い映画であると思う。
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