すずき

まぼろしの市街戦のすずきのネタバレレビュー・内容・結末

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

まぼろしの市街戦
よかった!すげえよかった!やっぱ映画館で見る映画って良いね!
テンション爆上げ〜↑
伏線がやべえぜとかそういう感じではないから、ショーシャンクや君の名は。みたいに、万人に受ける意味で「こいつはすげえぜ!」っていう映画ではないかな、と思うんですけど(失礼)、個人的好みぶっ刺さり映画でした。最the高。
他の人がどう言おうと、俺的には「こいつはすげえぜ!」って映画。
映画を見ながら考えたことについて簡単に記しておきます。自分用のメモで、ネタバレあるから気をつけてね!観てない人でこれから観る予定の人は読まないでください!

[僕が受け取ったメッセージ性]
・我々の社会の虚構性
精神病院から抜け出した患者が、公爵とか娼婦とかになりきって戦時下はずの町でごっこ遊びのように社会を作ってしまうの見て、観る人は主人公の視点と同化しながら「うわーおかしい人たちだな。。。」って思うと思うんですけど、段々、「でも俺たちの社会だって根本構造はこれと同じなんじゃね?」って思っていきました。お金の価値がフィクションみたいな話です。住民同士でプロトコルが共有されて仕舞えばそれがどんなに異常だろうと全く問題ないというか、そもそもそこに異常も正常もないよな、っていう。
・何が正しくて何が異常?
で、映画の中で最初は自明の前提として描かれていた「軍隊の人たちの世界=正常」「住民たち=異常」っていう構図が少しずつ自分たちの中で逆転していく。戦争で人殺しあうより、歌って踊ってる方がよっぽど正常じゃん!?っていう。
[時代性]
・精神病院という設定
これは最初「えー」みたいに僕は違和感持っちゃったんですけど、まあ時代かなあって気がします。
[舞台効果]
・建物、衣装
全てがエモい。時計とか広場とか石畳の道路とかヨーロッパの町ってまずエモいし戦争で壊れた、まあ廃墟を住民たちが娼館として使ってるのとかめちゃめちゃエモい。てか衣装素敵!可愛い!着てえ〜〜〜〜〜!!!
・戦争という背景
華やかな住民たちの背景にずっと壊れた家屋みたいな感じで戦争の香りがしているのがエモい
・音楽と踊りについて
ノリノリで踊りたくなる。
・渋谷のハロウィン、パリピ
着飾ってみんなで騒ぐの実施渋谷のハロウィン、パリピじゃん!イェーイ!!! みたいな。戦争?踊ろうぜ!
[物語として]
・なろう異世界転生フォーマット
異世界に行って無知な住民たちに王様って祭り上げられるの完全になろう小説じゃね?って思いました。あんま高尚な構図じゃないのかもしれないけどチョロいから全然好きなんだよね〜!
・村上春樹
最後住民たちと同じ世界にとどまる主人公に、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」のラストを感じた。ーこういう、異世界にとどまる、内面世界に閉じこもる決心する物語っていつくらいからあるんだろう。。。こういうのもオタク的だねえって批判的に言われがちな構図だけどめっちゃ好きなんですよ!俺も映画の世界から戻りたくなかった!!!主人公は、ある意味物語を読んでいる観てる僕らですよね。軍隊という現実世界から住民たちの世界っていうフィクション物語に入って行って、、、でも彼は物語の中で生きられるんだ、俺は現実世界に戻らなきゃいけないのに、、、羨ましいなあ〜〜。。。

あと4kリマスターヤバイね!めちゃめちゃ映像綺麗だったわ〜〜信じられん。。。

最高!





一緒に行った友達からはグランドブダペストホテルおススメされたから積ん映画しとこう。。。
すずき

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