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まぼろしの市街戦のSのネタバレレビュー・内容・結末

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

4Kデジタル修復版を劇場にて鑑賞。

フランス製作のユニークで、どこか気の抜けたコメディ映画ですが、しっかりとしたメッセージもある作品でした。

フランスの小さな街を巡るイギリス軍とドイツ軍の攻防、刻一刻と迫る時限爆弾のタイムリミット、、、
緊迫感があるはずの物語なのですが、街に取り残された〝オカシな〟住人達のおかげで、気楽に楽しく鑑賞出来ました。
何かにつけて歌って、踊って、パレードを行う住人達。
彼らの言う、シンプルに今を楽しく生きるという考えも、大事な考え方の一つだと感じます。

そして物語のラストで主人公が取る選択が、この映画のメッセージを象徴していると感じました。
終わりの無い戦争、悲惨な現実社会、何が正常で何が異常なのか区別が難しい世の中では、〝まとも〟ではいられない。
どうしようもない〝現実世界〟に生きるよりも、精神科病院という檻の中から思い描く〝空想の世界〟の方がマシである。
そんな戦争や世の中を皮肉った作品だと思いました。

とは言え、メッセージ性が主張し過ぎることはなく、基本的にはオシャレなタッチのコメディ映画で、面白可笑しく鑑賞出来ます。
カルト的な人気を誇る映画というのも納得出来る傑作です!!
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