りっく

フィギュアなあなたのりっくのレビュー・感想・評価

フィギュアなあなた(2013年製作の映画)
4.3
前半は登場人物たちの愛すべきダメっぷりと、佐々木心音の浮世離れ感が同居し面白いことに。
特に柄本佑はモテキの森山未來に通ずる素晴らしい演技!
冒頭の編集社会議の場面から惹きつけられる。
確かに理不尽な仕打ちは受けているが、
お前の仕事ぶりも確実に悪いだろ!という見事なバランスの演技。
柄本佑の存在なくては、本作自体が成立し得ないほど見事。

終盤ダメ人間たちの祝祭的大団円に持っていくかと思いきや、あまりにも切なく哀しい着地。
どこまでが現実で、どこまでが妄想なのか。
厳しい現実を目の前にして、そこから逃げ出し安住することは可能なのか。
終始心を揺さぶられる、新たな石井隆の傑作。
りっく

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