あかめ

ミカエルのあかめのレビュー・感想・評価

ミカエル(1924年製作の映画)
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名古屋シネマテークがナゴヤシネマ・ノイに生まれ変わってきょうオーブンだったので、作品にこだわらず内容も知らずに観ましたが100年前のサイレント映画なのに、新作映画を遥かにしのぐ面白さでした。
孤独の中に生きる巨匠の老画家が若い画家志望のミカエルと出会ったことで生きる希望を取り戻し、彼をモデルにした「勝利者の肖像」はミカエルが全裸で描かれていて、ゾレの本心はそっちなのを匂わせつつ、ミカエルはゾレに肖像画を描いてもらいにきた伯爵夫人にぞっこんとなり、ゾレとは疎遠になるばかりか、ゾレの物を売りはらったり、借金しまくったりするひどい奴。でもゾレは彼を失いたくないから甘やかしまくり…なジジイ転がしな話で、後の「ベニスに死す」や「家族の肖像」や「テオレマ」の原型のようなお話でした。サイレント映画は映像がすこぶる魅力的で、キャストの演技も尋常ではなく、ゾレの全てを恨むような目ぢからだけでおかわり食べられそうなくらい面白いです。
ドライヤーって「裁かるゞジャンヌ」の人だよねって思っていましたが、これが代表作でも全然OKな大傑作でした。
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