ミカエルの作品情報・感想・評価

「ミカエル」に投稿された感想・評価

Ryosuke

Ryosukeの感想・評価

3.6
やはりピアノ生演奏(@アップリンク)は迫力があってよい。
モノクロの画面に煙管の煙が映え、強い照明を当てられた人物が神秘的に映る。煙管は感情表現の上でも重要なアイテムとなる。(ミカエルの火を受け取らず自分でマッチを擦る、真っ二つに折る)
夫人の眼を描くシーンの切り返しはやはり印象的。作中でただ一度ズームが用いられ劇的な効果を出している。
ラストカットの夫人の目も印象的。
画家役の俳優ベンヤミン・クリステンセンは、容姿も含めて孤独で頑なな老人の役に見事にハマっていた。
nagashing

nagashingの感想・評価

3.5
『裁かるゝジャンヌ』へと結実する、役者の表情をつぶさにとらえた雄弁なクローズアップも至高だが、デカすぎる邸宅のセットをすみずみまで収めたロングショットもヤバい。ヴィスコンティかよっていう美術の豪華さにビビる。あの巨大な人間の頭部の彫刻とかいったいなんだったんだ。
二組の三角関係という以上に、男×男×男×女の四角関係の話という印象。男性間の愛情は同性愛であり親子愛であり友情であり、さらには才能や美そのものへの愛としてかなり複層的に描かれており、それが異性間の肉体的・即物的なシンプルな愛情のまえにあっさりと敗れ去っていく。そこに上位文化・芸術のハイコンテクストであるがゆえの脆弱さ、繊細さの相似を見た。
あす

あすの感想・評価

4.0
表情も仕草も自然で繊細で、自分の中のサイレント映画のイメージが変わった。
特に、何度か出てくる頭を撫でるシーンの手の動きはとても柔らかく、愛おしさに満ちているのがすごく伝わってくる。

あらすじ読んで勝手にBLものなのかと思ってたけど、親子愛に近い、もっと別の深い愛情のお話でした…

このレビューはネタバレを含みます

画家の死の直前、ミカエルと公爵夫人の愛の巣が一瞬カットインされるのスゲーと思った。ゾレにはマジで見えたんだろうな。愛の為せる業。
ラストがまるで阿片窟。それでも美しいミカエル。
wkm

wkmの感想・評価

3.5
最後の侯爵夫人から滲みでるこれぞドライヤーって感じが素敵。ゾレを孤独に追いやることに対して安易に反省したり後悔したりせずに ”わたしはやった” ということを引き受けつづけるミカエルの潔さは侯爵夫人あってこそ。偉大な愛はそこにある。
Roland

Rolandの感想・評価

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絵のモデルとなったことで限りなく接近した、父子に近い二人の芸術家の関係性はすでにその初めから危うい。一人が勝手に絵を競売にかければ、もう一人がそれをこっそりと買い戻す。あくまでキャンバスを介して示されること、画家はその上にしか何物も獲得することができなかったということ。そして誰かが消えたとき、そこに残るのは絵ですらないということ。
2度目の鑑賞。夫人の目をミカエルが描くシーンの照明、切り替えし、クローズアップの力は同じくサイレントの視線のメロドラマである「君と別れて」よりも凄いかもしれない。