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ザ・ワーズ 盗まれた人生のペジオのレビュー・感想・評価

ザ・ワーズ 盗まれた人生(2012年製作の映画)
3.6
第一声が「誰かの為に」っていう奴は信用できない

三層に渡る入れ子構造の物語
複雑そうに見えて案外スッキリしてて見やすかったのは、物事に至る過程や登場人物の「動機」が丁寧に描写されていたからだと思う
その「動機」こそが本作のテーマだろうし、だからこそブラッドリー・クーパーとジェレミー・アイアンズの物語だけでも成立する映画に、わざわざデニス・クエイドのパートが置かれているのだろうけど

「何故言葉を紡ぐのか?」
その問いに対する三人の作家の答え「言葉一つ一つを感じる為」「自らを救う為」「……」
要は「自分の為」なのだ…って言うと聞こえが悪いと感じる向きもあるのかもしれないが、別に良いじゃん
誰だっててめえの満足の為にしか行動しないしできないし、ことクリエイターに関しては自らの傲慢さに真摯に向き合えばこそ突出した良いモノが生まれる
それを変におためごかしではぐらかすのは嫌いだ
「自己満足」もできない奴が「他者満足」できるわけねーだろと思う

…映画に話を戻すと、ブラッドリー・クーパー(と……)のキャラがある種の浅はかさと軽薄さを伴っていて良い
作家として生きたい…「何かになりたい」が先にたっている感じを見てると、「書かずにはいられなかった」という境地に達したジェレミー・アイアンズとの格の違いがよくわかる(ジェレミーさんの出てるシーンは問答無用で惹き付けられるので役者としてもやっぱりちょっと格上なのかな。)

ゾーイ・サルダナとノア・アルネゼデールが美しすぎて、オリヴィア・ワイルドがちょっと可哀想
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