ハレルヤ

スノータウンのハレルヤのレビュー・感想・評価

スノータウン(2011年製作の映画)
3.0
オーストラリアで実際に発生した「スノータウン男女12人猟奇殺人事件」。その驚愕の事件の犯人に協力した少年の目線で描かれる実録サスペンス。

同じくオーストラリアで起きた大量殺人事件を描いた「ニトラム」のジャスティン・カーゼル監督のデビュー作。あの作品がドキュメンタリータッチの作風で描いた実話の事件で、本作は13年前ながら既にその作風を確立していました。

働かずに怠惰な暮らしを続ける母親と弟と過ごす青年のジェイミー。閉塞的な生活を送っていると、母親の新たな交際相手のジョンが現れる。

自分に性的虐待を加えた隣人に嫌がらせで痛い目に遭わせた事からジョンに心酔するようになる。しかしそこからジョンの本性が見え始め、彼が異常な性癖を持つ人間を片っ端から殺して回るという考えが浮かび上がる。彼の支配下に置かれたジェイミーは成す術無く、ジョンの殺人に加担していってしまう。

明るさがほぼ感じられないどんよりとした映像に、無機質な空気感。じんわりと進んでいく2時間。実話だからというのもあると思いますが、映画的な盛り上がりは無く、かなりしんどかったです。体感3時間くらいに感じたほど。

テーマや物語、本作での事件自体は興味が沸くものでした。しかしこの嫌悪感と暗さで終始進むので、また見るか?と訊かれたら即答でNOと答えます。

でも本作を見ていると作風は似ていても、所々でのカメラの撮り方や不安感の増幅具合が「ニトラム」では進化していると感じましたね。本来なら点数はもう少し低めですが、デビュー作というのも考慮してこの点数です。
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