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SHORT PEACE ショート・ピースのmitakosamaのレビュー・感想・評価

SHORT PEACE ショート・ピース(2013年製作の映画)
3.4
オープニング(森本晃司)+4本のショートアニメーションのオムニバス。

◎九十九/森田修平監督
付喪神をテーマにした物語。古びた祠に一白した旅人が付喪神に襲われるが、その都度に壊れた品物を修理していくという話。
戦わなずともヒロイックな主人公が格好良い。

◎ 火要鎮/大友克洋監督
幼馴染の男女。娘は意に介さぬ嫁入り先が決まり、男は家業をすて火消しになる。
面白いのが、俯瞰からの構図で背景に意図的にパースが付いていないんだよね。これは絵巻物の表現を用いている。
絵巻物のアニメーション的演出方法については高畑勲も重視しており、大友もそれに倣ったといえる。

◎ GAMBO/安藤裕章監督
農村に現れた巨大な熊と赤鬼との死闘。赤鬼はどうも宇宙人のような存在で無理やり村娘にエイリアンの種漬けをしている。
巨大な熊と、更に巨大な赤鬼とのバトルが血腥く臨場感がすごい。

◎武器よさらば/カトキハジメ監督
上記三作がが日本を舞台にした時代劇なのに対して、急に近未来の荒廃した東京になる。オムニバス集としたらバランス悪いよなぁ。どうせなら和テイスト時代劇押しにした方が良かったのでは?
とはいえ作品は良い。パワードスーツを着た部隊が無人の多脚戦車と戦うという話。
これは監督にカトキハジメの起用というセンスの勝利。
空想兵器を限りなくリアリスティックな現代兵器っぽいアレンジや演出で見せる。大友イズムがそこにあるし、いまこの表現にもっとも適した才能がカトキだったろう。

スチームボーイを経てフリーダムで3DCGでのアニメーションを模索していた大友による実験精神が垣間見れるね。
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