タカナリ

狂武蔵のタカナリのレビュー・感想・評価

狂武蔵(2020年製作の映画)
3.1
宮本武蔵と吉岡一門との決闘が描かれた作品。
武蔵は、吉岡一門と他流派を含めた約四百人を一人で相手をすることになります。

元々は園子温監督作品として準備していたものですが、諸事情あって撮影はなしになりました。せっかく準備していたのを無駄にしないため、坂口拓は当初予定していた10分ワンカット撮影を77分に延長し、それを1本の映画にすること決めます。
77分間、坂口拓は武蔵となり、ずっと1人で何人もと戦う事になります。

ドラマ性は正直ありません。戦いしかしてません。
戦い自体は、77分戦い続けているのでかなり壮絶です。最後辺りとか満身創痍です。
だけど、かなり思っていたものと違いました。坂口拓ですからもっと激しい戦いを見せてくれるのかと思いましたが、割と単調でしたし、同じような動きしかしません。吉岡一門にしても、死を覚悟してるなら一斉に襲いかかればいいのにやりません。一人に対して大勢で相手してる時点で正々堂々ではないのに。後ろから斬ればいいのに何で斬らないのか。
アクション好きなんですが、これは正直退屈でした。

良かったのがラスト数分の川での戦い。
見たかったアクションがここにはありました。ドラマ部分もここから広がりそうな感じがしてかなりワクワクしました。
この部分を広げて映画にしても良かったのかも。

長いワンカット撮影って非常に挑戦的で面白いと思いますが、観客が退屈になってしまうものはどうなんでしょうか。
ワンカットにこだわらなくてもいいので、もう少しドラマ性は欲しかったです。

子供を殺す武蔵は見たくなかったな。