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狂武蔵のmasayaのレビュー・感想・評価

狂武蔵(2020年製作の映画)
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宮本武蔵vs吉岡一門四百人の闘いをワンカットで再現しようとした途方もない実験映画。坂口拓演じる狂武蔵が斬って斬って斬りまくるのに最初は痺れたが相手方が5〜6人くらいで殺陣を回してるのに気付いて何だか笑えてしまった。世界一単調な映画だけど、消耗していく武蔵だけがリアル。

アクション俳優は瞬発力が命に思っていたので、1時間以上刀を振り続ける持久力と集中力には感嘆するしかない。あと適宜水分補給もしてて偉かった。

物語映画がワンカットで臨場感を保つ為には、不自然さと中弛みを極力排除させる必要があると思うのだけど「狂武蔵」ではそこまで意識されてなかった。時代劇としての武蔵のリアリティは序盤で影を潜め、気付いた時には俳優坂口拓のドキュメンタリーを観ていた。マラソンランナーを定点観測するような。
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