【プリズン・グルーピー愛の墓穴】
『大統領の執事の涙』の前にDVDでみていたのですが、ニコマンパンスト破りショットだけは大スクリーンの方がよかったと後悔しました(笑)。
この監督、『プレシャス』の時はわからなかったのですが、本作では独特の視線を感じて面白かった。エグイものを「こんなん普通だろ」と見据える視線。ひょっとしたらここには、ゲイの黒人であるという出自から受けてきただろう、偏見を跳ね返す意志も含まれているのかな…という気がしました。
物語的にはアバウトですが、この見据えからのビジュアル炸裂がずっと続き、最後まで飽きませんでした。
が、「こんなん普通だろ」と言いつつ、「南部はヘン」と見てしまう視線からは逃れられていないことがまた面白い。やっぱりというか、この監督はフィラデルフィア生まれなんですね。
極論ですが、南北戦争で北軍が勝って以来、北部が平常で南部は異常、とみる視線が根づいてしまった気がします(笑)。
人物的にはニコマン演じるシャーロットが断然面白い。いわゆるプリズン・グルーピーですね。塀の中の男に燃える女。しかし塀を出た男へはどうだったのか?
シャーロットの行く末は、相手の異常性が招いたというより、彼女の本心から辿れば当然の帰結だったように思います。
しかしニコマン聖水シャワーの方は撮影仕込みがアバウト過ぎ。どう見てもアレ尿道口からズレてますよけしからん!
原作では女の子たちの聖水受けまくるんですが、二十歳と40女ではポカリと味噌汁くらい違う気がしますが効果にどんな違いが?ここ、放尿権を断固主張するニコマンに大爆笑。
空気人形顔で空気尺八するのと、こことで2大ビッチ名場面でした。
聖水臭に悩まされるザック君は主役なのに薄いですが、周りが濃すぎるからこれでちょうど良い気がしました。
<2014.5.12記>