「お前の傍に神はいるか?」

　バグダッドでシーア派の武装集団 ‶真実の剣” に拉致されたアメリカ人アダム・デビッド・スミス。武装集団の要求である ‶48時間以内のアメリカ軍の撤退” が応じられなければアダムは殺される。タイムリミットが迫る中、マスクで顔を画した謎の男がアダムにある取引を持ち掛けてくる。

　ジャケットから、限られた時間の中での人質救出アクションを連想しがちかもしれないけれど、内容は全く違う。
　舞台のほとんどがアダムが監禁されている地下室内。そこでの人質と過激派との会話劇が大半を占める映画であり、アクションのアの字もない作品。

　過激派には過激派の正義や言い分があり、彼らにとってはアメリカこそが悪の根源。リーダーのダキールの話を聞いていると善悪の境界線って何なのかが分からなくなってくる。いやもちろん、だからと言って一般人を拉致監禁するのはよくないけれど。

　アダムとダキールの間に徐々に友情とも言える感情が芽生えていき、いったいどんなラストを迎えるのかと思いきや……。
　言葉を失う結末が待っていたよ。

パケ写だと人質奪還みたいな印象受けますが、武装グループと人質の密室でのやり取りのみです。
生きて帰れるか殺されるかリミットまでのお互いのやりとりは緊迫感ありました。
人質に囚われた白人もかわいそうですが、拉致した武装グループリーダーの理由も分かると何ともやり切れませんでした。

メルギブソンでもハリソンフォードでもないパトリオット。
イラクで武装グループに囚われた人質の話。
もっともっと酷い世界なんだろうな。怖かっただろうな、辛かっただろうな。
ノンフィクションではなさそう。