Yuri

プライズ〜秘密と嘘がくれたもの〜のYuriのネタバレレビュー・内容・結末

1.0

このレビューはネタバレを含みます

アーティスティックだけど、なんて救いのない話。1970年代後半のアルゼンチンの汚い戦争の国家の軍事政権での統治下での話です。その出来事を知らないと、何の戦争?国家犯罪者?でこの親子が海辺のボロ家で生活しているのか、わからないです。この出来事を知っていたとしても、7歳のセシリア目線でラストまで描かれているので、「いとこが殺されてたみたい。お母さんしかいない。お父さんはいない。お家に帰りたい。」という事しかわからず、セシリアが、情緒不安定でビクビクしている母親に戸惑い、何かわからないものに脅え、その感情で画面がいっぱいになるだけの映画でした。自分のしたことが、母親にとって大変なことをしてしまったかも知れないけれど、立ち向かって何とか出来るほど大人じゃない、うまく慰めることも出来ない、謝って許してもらっても母親は泣いているという、少女の世界も戦争の絶望に包まれています。それでも、生きて親子でいられるってことだけでも救いなのかもしれないのですけど・・・。私は、情緒が安定しなくて、子供に怯えた顔をさせてしまうことがあるのですが、今のところ戦争のない日本にいるのだから笑って、抱きしめて、大丈夫だよってなるべく言ってあげられるようにしようと思える作品でした。でも、ゆったりした音楽とくるくる回るこどもの目線で超眠たくなります。2011年制作。
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