尿道流れ者

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命の尿道流れ者のレビュー・感想・評価

4.6
ゴズ兄はやっぱりかっこいいわ。最初の登場シーンがかっこよすぎて、この後どんな展開になっても名作だと確信した。Tシャツ裏がえしでかっこいいなんてきたないわ。子供のあやし方上手いし、犬と踊るシーンは可愛いし、完璧だな!刺青とメタルバンドのタンクトップのセンスはダサかったけど。
映画自体も凄く面白かった。ライアン・ゴズリングから始まる三部構成だが、一部にしか出ないゴズ兄の存在感が尾を引いて、三部が全てがとても綺麗にまとまってる。一部はとてもかっこ良くて、切ない。ゴズ兄が警察からバイクで逃げる時の絶望感とかキリキリ迫ってくる息づらさがあってすごかった。二部は三部の前フリみたいなところもあって少し地味だが、揺れる心のなか霞みそうな自分の正義に生きようとする男の姿が描かれていていぶし銀。最後の三部は最高に良い。思春期でどこに向かえば良いかわからない少年の自分のルーツに向き合いたくなる感じ、よく分かる。少年は自分の父親との運命や宿命なんてものは関係無く、自分の中の何かを理解するために父親と同じような行動をとってみたりもする。そこに大きな意義が無いからこそ、復讐は果たされないし、最後の去って行く姿には生命力を感じる。