DanAbnormal

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命のDanAbnormalのレビュー・感想・評価

4.4
オープニングの長回しのシークエンスが、70年代映画を彷彿とさせるシビれる渋さもありながら、「何かが始まる」期待感を煽る。もうそれだけで入り込んじゃって、140分という長さを忘れさせる怒涛の展開。
さすがブルーバレンタインの監督だけあって、業の深さやルークの走らせるバイクのように無防備に自分から危ない方へ突っ込んでいっちゃうのを誰も止められない、意地悪なストーリーに目が釘付け。どっちを取っても地獄やんけという善と悪の揺らぐ選択肢の連続をコレでもか!と叩きつけてくるし。
ライアン・パートの前半とブラッドリー・パートの中盤、そして二人の接点が時を経て沸点に達した後半、ネガティブの暴発を抑え込めたのは、各々の良心と確かにあった幸福な時間(その証拠である一枚の写真がバトンになってるのも秀逸‼︎)のために取った行動のせいだと思わせる、救いの着地にも鳥肌が立った。
ルークの子もまた、ルークのようにバイクを走らせ、町を出て行く。様々を背負って、決してキレイに終われない傷だらけのその姿の美しいこと。忘れられないラスト。

あとびっくりするほどオールスター戦かと見まごう配役に、この作品の精度を高める理由があると思った。
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