villjobba

コンプライアンス 服従の心理のvilljobbaのレビュー・感想・評価

2.3
露骨に性的なシーンは出てこない。男として残念な気持ちもあったことは否定できないけれど、これのせいで怒りの対象が犯人でなくて店長に向いた人も多いのではないかと思う。
ノンフィクションだけれど、上記の理由で映画から見てとれる悲劇性が減ってしまっているので、その分店長の操られっぷりが目立つ。

言われるがままに最低なことをした男と、最初の電話ですぐ怪しいと断言した男の2人が出てくることからも、いざ巻き込まれたとしても皆誰もがこの店長のようになるとは思えない。
事件と関係ないシーンでも、人を動かす者としての無能っぷりが見えるし、被害者ぶっているけれど、この店長は劇中で全く被害者ベッキーに気を使っていないのがもう。
あの状況でベッキーに「ちょっと黙ってろ」とか「話しかけるな」とか言ったり、オレオレ詐欺のように犯人からベッキーの名を出したと思い込んでいたり、忙しいとはいえ店に顔出しっぱなしなのは独りよがりだし管理ができてないなぁ。It's about the cops.というセリフが店長のスタンスを物語ってる。最後のインタビューも視聴者を相当イライラさせる力を持ってる。
この店長を演じた女優が唯一この映画で賞を獲得してるのも気にくわない笑

直前に観た「es」もそうだけど、状況や権力によって人がおかしくなる恐ろしさを見せつけられた一日だった。
…この映画はちょっとソレとは違うかもしれないけど、この2本を偶然同時にレンタルした私のセンスがすごい。
ちなみにもう一本同時に借りたのはTedです。
頭空っぽにして観よっ。
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