Jeffrey

ブリーダーのJeffreyのレビュー・感想・評価

ブリーダー(1999年製作の映画)
2.8
「ブリーダー」

冒頭、ビデオショップで働く男。悪魔のいけにえとマッドマックス、そしてブルースリーを愛する映画オタク。仲間、勇気を振り絞って女の子を劇場に誘う。B級映画、妊娠、出産、ストレス、流産。今、怒りが暴走する…本作はニコラス・ウィンディング・レフンが1999年に監督したマッツ・ミケルセン主演のデンマーク映画で、この度DVDにて初鑑賞したが、この作品はトーキョーノーザンライツフェスティバル2013で日本初上映されたらしく、新宿シネマカリテの特集企画を始めとし、有名になった作品で初めて見たが面白い。「ドライヴ」「プッシャー」などでカルト的人気を持つ監督の初期作品である。

さて、物語は友人キッチョとともにビデオショップで働くレニーは、悪魔のいけにえとマッドマックス、そしてブルースリーを愛する映画オタク。そんな彼には、デリで働く気になる女性がいた。以前、レニーの店でカジノを借りた子だ。ある日、勇気を振り絞って彼女を映画に誘ったレニーは、見事、デートの約束にこぎつける。一方、レニーとキッチョと一緒にB級映画を見ることが習慣のレオは、恋人ルイーズの妊娠が発覚し、動揺隠せない。ルイーズの出産に対する意思は固く、彼女の兄ルイも妹のおめでたを喜ぶが、それに反してレオのストレスは日に日に高まっていく。そしてついに、ルイーズに暴力をふるい、流産させてしまうのだった。それを知ったルイは、レオへの怒りを暴走させ…と簡単に説明するとこんな感じで、ミケルセンとのタックにより初期の傑作が生まれたとして日本でもかなりの人気がある1本である。あのライアン・ゴズリング主演の「ドライヴ」が2011年に大ヒットしなかったらこの作品も日本に来る事はまだなかっただろう。

本作は冒頭からなかなか良い出だしである。男性が歩くシーンはロックが流れ、女性が歩くシーンは穏やかなラブロマンスメロディーが流れ、足元を捉えるファーストショットになっている。そんで映画好きにはたまらないビデオショップを軸的にした物語が展開していき、様々な映画オタクが好きそうな映画が陳列されていて、それを眺めるだけでも楽しいし、物語自体も面白い。これが1999年の映画で2016年に日本で初公開されたって言うのは本当にもったいない時間を過ごしてきたなと思う。ミケルセンが大量に監督の名前をどんどん言うのってアドリブも入ってるんだろうか?やはり黒澤明の名前は出てくるんだけど、大島渚や実相寺昭雄あたりは出てこないんだよなぁ(笑)。てかミケルセンが若すぎてイケメンすぎる。俺がミケルセン初めて知ったのはトマス・ヴィンターベア監督の「偽りなき者」だったからなあ。あれはめっちゃ傑作だった。
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