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愛される方法のmhのレビュー・感想・評価

愛される方法(1963年製作の映画)
5.0
飛行機でポーランドの女優が戦争中の出来事に思いを馳せる。
当時オフェーリアを演じる舞台女優だったがドイツによる占領がはじまってで公演は中止。ウェイトレスに。好きな男がコラボラシオンを殴ったタイミングでそのコラボラシオンが射殺。好きな男はゲシュタポに追われてることになり、主人公は彼を匿う。ドイツ軍の家宅捜索でレイプされたり、ドイツ軍向けの劇場に出演して糊口をしのいだりとかなりの犠牲を強いられている。姿を消した男は、飛び降り自殺をしたんじゃないかと噂される。
いろいろあって戦後。弁明の機会を棒に振って(対独協力者と思われていた誤解を解かずにいて)五年の公職停止処分を受ける。
五年後、ラジオ出演のきっかけとなり、未熟だったラジオドラマのシナリオを即興で面白くする才能が認められる。次第に大物女優になっていく。
クライマックスで(かつての職場で)ずっと会っていなかった男と出会う。男はヒモ&アル中になっている。すぐさま治療することを申し出る主人公だが、目を話した隙に……。
というあらすじ。
細部も素晴らしい。戦車が走るクラクフの街とか、タクシーみたいな馬車にのるとき、まず、馬に角砂糖をやってから戻って座席に座ったりとか、そういうこと渋いことやられるとかなわんよね。
ポーランド版ウィキベディアには「灰とダイヤモンド」との相似についての解説もある。同じ合唱曲を違うテーマで歌っていたりして、「戦争中の英雄の是非」という問いかけも行っており、背景が厚い。
ポーランドすごいし、この監督もすごかった。
キャリアの中では異色作とされてるようなので、ほかの映画も見てみようと思ってる。
いやー面白かった!
mh

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