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武士の献立のバナバナのレビュー・感想・評価

武士の献立(2013年製作の映画)
3.5
意外と加賀騒動を絡めていたりしたので、最後までどういう方向に話が進んでいくのか予想が付き難く、結果的にはドラマチックな展開ではなかったのですが、案外飽きずに楽しめました。

本当に舟木安信さんの奥方は商家の出の人なのでしょうか?
たぶん、西田敏行さんが演じていた伝内(義父)って、料理を腕を買われて舟木家に婿養子に入った人じゃないのかな。
余貴美子さんの義母が、家の事は女中任せでなんにもしない人だったので、そう思いまいした。
だから商家出身で、出戻り、4歳上の奥女中を息子の嫁にするという、武士にしては珍しく虚より実を取る行動が出来たのでは。

それに比べて息子の安信は、予定のなかった次男が急遽跡を継ぐことになったからとはいえ、職業意識の低いことと言ったら。

加賀藩は百万石といえども外様大名で、徳川からは目の上の瘤扱いをされている苦しい立場なので、
少しでも威信を保つためにも、徳川の使者をもてなす「響応料理」を担当する包丁方というのは、
いわば「天皇の料理番」と同じような大事なお役目の筈。

安信はもうとっくに出仕して働いているのに、その辺りの仕事の意味が分かっていない様子だったので、イライラしました。
安信が包丁よりも刀に未練があり、途中加賀騒動も起こったので、
安信夫婦がどの方向に向かうのかハラハラしたというか…。

安信から“古タヌキ”と揶揄されるハルだったので、本当は上戸彩よりも、原作では丸顔でぽっちゃりした感じのイメージなのかな?
でも気の強い、ハキハキした姉さん女房という点でいえば、私は上戸彩よりも尾野真千子の方が合ってるような気がしたけど。

まあ、嫁がよく出来る人のせいか、江戸時代なのに義父母との仲はすこぶる良好で、ただ、夫との関係にハラハラさせられるストーリー、というのが珍しかったです。
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