荒野のサバイバルロードムービー。
長回しでゆっくり荒野の景色を撮ってくれるので、自分も一緒に移民と旅をしてる気分になれて良かった。
迷子と水不足とインディアンのせいで、終始画面に嫌な緊張感が漂っていた。夜って暗いからよく見えないよねっていう、演出しない斬新な演出で、不安でストレスフルな夜だった。
最初は異文化交流的なやつかと思ったけど、どうも神がかり的なアレかと思った。相関図としては登場人物から色んな矢印が伸びてるが、インディアンはいるだけで何の矢印も伸びておらず、利害を超越した特別なものに見える。コミュニケーションの不能っぷりが異文化のレベルじゃない。（巫女だとかシャーマンだとかそっち系じゃないかしら。医学的にいえば統合失調症。群れから離れた単独行動）
極限状態において、人が何を見て何を信じるか、その辺が生々しい迫力で描かれてたと思う。基本何も起きないんだけど、事をジッと見守る一人一人のリアクションショットは大事に撮られていて、ドラマに深みがあった。
