きゅうりぼーい

ミークス・カットオフのきゅうりぼーいのレビュー・感想・評価

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)
3.9
目指す彼の地へ
歩みを進める道なき道。

未知に満ちた旅路に
飢えと渇きが視界をボヤけさせる。

道を知る者とその地に根ざす者
募る不信感、信じ疑う心の葛藤が歩みを重くさせる。

分からない故に正解を作り、標(しるべ)とする文明人。
大地に根差し、自然に習い生きる原住民。
意思疎通の図れない両者で歩む旅は常に不穏さを抱え日夜を跨ぐ。

破壊と混沌。
破壊を通じて形を成していくのが男性性なるものとするなら。
混沌の中から直感を通して形を掴んでいくのが女性性なるものと言えるのでしょうか。

生命の危機に、魂の歌がこだまする。
賭けではないが、そうするべきと感じる心に従い道とする。
そこに何があるのか、何が待ち受けているのかは決して分からないけれど。

あいも変わらず辿り着かないし、事が起こりそうで起こらない。
しかしこの過程に宿る人間ドラマにどうも魅了されてしまっている自分がいる。

人間とヒトを感じる映画。
きゅうりぼーい

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