こかだじぇい

コン・ティキのこかだじぇいのレビュー・感想・評価

コン・ティキ(2012年製作の映画)
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娯楽映画にするために、原作とはなれたストーリー展開がされ、原作ファンには辛い映画になっている。

前半の後悔準備の際、ノルウェィ政府も計画に合意していたはずなのに、その描写がなく。そのため、ヘイエルダールが支援者なしで強引に南米にでかける、詐欺師のように描かれている。探検メンバーを集める描写も少なく、各員のキャラクター造形が不足のまま、映画が進んでいる。

後半の漂流航海部分は、危機的場面ばかりが描かれ。原作にあった「自然の中を旅する楽しさ」が不足。
「冷蔵庫のセールスマン」のヘルマン・ワッツィンゲルが、デブ・キャラで「航海への不安を訴えるキャラ」にされているが。原作ではそういう描写はなし。スポーツマンタイプで、副船長的存在だったと原作にはあるのに。

ヘイエルダールも、自分勝手で、小心者のキャラクターにされているが。そんな人物が、あんなに何回も危険な漂流航海を実現できただろうか。ユーモア精神のある、リーダーシップが強い人物だったに違いない。
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