ミミック

ロマン・ポランスキー 初めての告白のミミックのレビュー・感想・評価

3.5
長年の友人がインタビュアーとなって語られる監督の半生は語り口は明朗ながらも、とても常人が一人では体験できないほど浮き沈みの激しい人生だった。

ドイツ軍のポーランド侵攻の渦中にいるホロコースト被害者の少年期、アイジェイ・ワイダの初期作品に役者として参加、二人目の妻シャロン・テートがカルト教団による無差別殺人の被害者に、未成年への性的行為での逮捕とその後30年に渡るマスコミによる激しいバッシング…等々。彼のフィルモグラフィーの幅の広さがそれを証明している。

特に戦争体験は詳細に語られ、それらの記憶は自身が棺桶に入れたい作品としても挙げていた『戦場のピアニスト』に色濃く反映されている。

自身の壮絶な体験を真正面から受け止め作品に昇華する監督の芸術に対する真摯な姿に比べると、彼の私生活をハイエナのように群がり追いかけ回すマスコミの生産性の無さがより際立つ。

全部は見てないけどポランスキー監督作品では『ローズマリーの赤ちゃん』と『おとなのけんか』が特に好き。
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