スギノイチ

攻撃のスギノイチのレビュー・感想・評価

攻撃(1956年製作の映画)
4.1
反戦映画の名作でありながら、負傷した状態で戦車と渡り合うジャック・パランスの勇姿にはヒロイズムも感じる。
ただ、この映画で最も突き刺さるのはエディ・アルバート演じる悪徳上官の描き方だ。

教条主義的な反戦映画の場合、この手の人物は誰が見ても愚劣な悪役に見えるようデフォルメされるが、この映画はそうしない。
周囲から孤立し追い詰められ、やがて幼児返りしたかのようにベソをかき心情を吐露する。
「私はいつの日か”男”になれると思っていた。だが30歳になったある朝、その瞬間は永遠に来ないと気づいた。」
一騎当千のジャック・パランスより、エディ・アルバートの方が自分に近いと感じる人も多いんじゃないか。

それにしてもリー・マーヴィン、味方側にいると頼もしいのに敵に回るととんでもねえ鬼畜になるな。
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