ぺりこ

マレフィセントのぺりこのネタバレレビュー・内容・結末

マレフィセント(2014年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

前回は劇場で観て、2回目はレンタルで。そろそろ続編の公開も控えているので前作の復習をと鑑賞。

前作から5年も経っているのに劣らない世界観の映像美に酔いしれる。5年の歳月も感じさせない映像美とは流石としか言えない。マレフィセントの育った妖精の国がどれほど綺麗なものかこちら側を納得させる程の美しさは見事なスタートダッシュだったのではないか。

美しい妖精の国で育ったマレフィセントと争い事を糧に生きるような人間の国から来た少年ステファンと出会い恋に落ちるが、正直ステファンには勿体ないくらいだ。妖精の国での魔力も一番あり、誰よりも美しいマレフィセントには似つかわしくない。映画全体を見てもステファンの良い所がひとつもなく、何故マレフィセントが彼を愛したのかが分からなかった。幼少期には宝石を盗むわ、嘘はつくわ。青年期にどのように取り入ったのか分からないが城で国王に仕えてはいたが国王になると言うだけの野望しか持っておらず。特に自分が国王なり国を良くするような理想もなく。やがて生まれる子を簡単に手放すし、妃の最期も看取らずただのクズにしか見えない。そんな男を純粋なマレフィセントが好きになるという事が兎に角納得が行かない。そもそも彼に愛情があったのかそれすらも嘘だったのではないかと思ってしまうほどだった。

オーロラ姫とマレフィセントの関係は凄くいいものだった。呪った者と呪われし者、オーロラ姫はそのような事は知らずにマレフィセントを母の様に思う気持ちは本物であり、恨むはずの姫なのに我が子のように慈しんでしまうマレフィセントがまた愛おしく感じてしまう。垣間見得るマレフィセントのツンデレすら可愛く見えてしまう。見てる側を引き込むには十分すぎるほど魅力的な主人公である。
マレフィセントのお供として登場きたカラスのディアバル。彼女に命を救われその後は忠実な下僕となるかと思いきや刃向かったり、時には嫌味を言えたり、良き姉弟のような関係も素敵だった。その二人の愛情を受けたオーロラ姫だからこそ純粋な女の子に育っていったのかもしれない。オーロラ姫は人間の国で育たなくて本当に良かったと思った。

一番衝撃的だったのはマレフィセントが翼を奪われたシーン。その後の彼女の悲しみの叫びが堪らなかった。翼を奪われただけでなく、愛していた者に裏切られたという真実。何よりも彼女が腹立たしかったものは彼を信じきっていた自分自身なのだということが許せなかったのだろう。
ステファンとの対決でマレフィセントが吹っ切れて今迄殺してこなかった人間を殺すことが出来て寧ろこちらの方がすっきりした気分になった。

真実の愛を失ったマレフィセントに、あれは瞞しで本当の真実の愛を教えてくれたオーロラ姫との出会いに感謝してしまうとても良い作品だった。
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