シリアス系の学園ドラマとしては、かなり上位にランクインする傑作ですね
教育問題を真っ向から取り上げ、学校そのものの精神崩壊に於ける原因と解決策を探りながら、生徒の目線以上に教師の目線が活きているおかげで、「苦しみ」に普遍性が伴ってるのが秀逸どころ
しかも、こんなに色んな事が起こって、色んな思惑が交錯するのに、100分以内というから驚きですな!
エイドリアン・ブロディは『戦場のピアニスト』に引けを取らないハマり役で、暗い影を背負う教師の優しさと怒りのコントラストが、何とも言えない余韻を残して行くのですが…
マーケティング・ホロコースト
その授業の内容がとても鮮烈でした
エイドリアン・ブロディだけに、説得力もありまくりで…「情報の刷り込みによる大量虐殺」は、目に見えないから余計に怖いとも思った
最近の若者はこんなもの…
大人なんて、こんなもの…
その鈍化された思考プロセスによって、希望が絶望に食い尽くされる…
崩壊した学校の現実を赤裸々に描きつつも、生徒の反抗や無気力と、教師の失意や精神消耗の仕組みを、冷静に捉えて提示する、映画としての思考力がとても優れているんですね
抱えた、重い「何か」
それは、誰もが死ぬまで抱える不安や苦しみであることを、打ち明け、受け止め、共有できればいいのだけれど、鈍化した思考プロセスは、そうさせてはくれない
学校を舞台としながらも、描かれているのは、まるで社会の縮図のようだった
監督のトニー・ケイは、シンガーソングライターでもあり、「映画作りはクールである事」がモットーだそうで、撮影も兼任したその映像の、メッセージ性とリアリティもかなり見応えがありました♩