アルツハイマーの症状が重くなり老人ホームに預けられたエミリオ。
(よく見るとジャケット絵のエミリオの頭から思い出が飛んで行っている…!)
私の3年前に亡くなった祖父も、アルツハイマーで施設に入っていた。
発症してからしばらくは自宅での介護をしていたが、徘徊もひどくなり手に負えず苦渋の決断だった。
施設へ会いに行くたび病気は進行し、最後の1年は私のことすらわからなかった。
祖父はいつも逞しく野心的でタフな人だった。その人がこんなに弱々しく小さくなる。私はとても悲しく、そして老いに対して恐怖心が芽生えた。
そんな老いとアルツハイマーについて真正面から向き合った作品であり、観ていると当時の思いがいろいろと蘇ってきてきつかった。
しかし老いは誰もが避けては通れないもの。
エミリオと同室のミゲルは言う。「人生なんてくだらない。」
しかしそう思わずに生きるためにはどうすればいいのか考えさせられる。そしてそう思ってしまっても、そこから逆転できる可能性を最後に見せてくれる救いがありがたい。
内容はきついけど間違えなく傑作アニメ。
「今日の老人、明日の老人に捧ぐ。」