鑑賞後にいくつかの映画サイトを渉猟してみたら
本作が
おもしろ半分の解説や嘲笑的な批判に長くさらされて
散々虚仮にされてきたことを知りました。
その主な原因は、やはり性的な描写にまつわるものが大半で
ことほど左様に裸体表現と云うものは
人の理性ではなく好悪の感情にダイレクトに働きかけて
大の大人たちをも眩惑させてしまうのかと
人の眼のおぼつかなさを、
それらの批評群が却って証明しているようでした。
本作は寧ろそうした批評家たちの鑑識眼の不確かさを
期せずして暴いてみせたのかもしれません。
(それゆえに、この作品は更なるやり玉に上げられるようになった、
と云うのは穿ちすぎでしょうか。)
鑑賞後の場外の話はさておき
確かに
眉をしかめるようなシーンもありますが
そこまであげつらうような作品とは筆者には思えず
十分に見ごたえのある力強い作品と感じました。
ポール・ヴァーホーヴェン監督作品の中では
好きな方の部類に入ります。
ショーガールの意地とプライドをかけたダンスは
とても生半可にできるようなものではなく
俊敏な躍動感と横溢する生のエナジーに
満ちみちて目を奪われます。
その中でトップを目指す本作のヒロイン Nomi (エリザベス•バークレー) は
短気で直情径行型、
自身の信念をゆるがせにすることなく
ラスベガスの斯界をそれこそ
一陣の風のように席巻し吹き抜けていきました。
(ヒッチハイクでベガスにやってきて未練を残さず
ヒッチハイクでベガスを後にする気っ風のよさ。)
ネイルにも特異な才能をもっていて
ダンサーとしてだけでなくネイリストとしても大成しそうです。
また興行主のひとりザックを演じるカイル・マクラクランは
『ツイン・ピークス』のクーパー捜査官役のイメージを
きれいに払拭することに成功していることを
ここに付け加えておきます。
作品情報については、
映画.com の解説が簡にして要を得ていますので、
そちらをぜひご参照下さい。